【トロピカル～ジュ！プリキュア】第25話「桜川先生パワーアップ大作戦！」

桜川先生回！
初登場から頭トロピカるというかパワフルな先生でしたが、どんなお話を見せてくれるのでしょうか。

さて本編。

夏休みも終わり、新学期。
心機一転、クラスメイトも勢ぞろいで、新しい毎日が始まります。



「まだまだ夏休み気分かもしれないけど、来週は授業参観があるからね」と、桜川先生。
授業参観といえば、それなりの一大イベントですね。

来るべき授業参観に、不安を隠せない生徒たち。
しかし、それは桜川先生も同じようで……？



「そうよね。授業参観っていいところを見せられるか、不安になっちゃうよねー」

ベテランになるとそうでもないようですが、経験が浅いうちは先生の方も緊張するのでしょう。
……かと思いきや、どうもそういう感じでもなさそうです。

その後。
お昼休みに部室に集まり、トロピカる部で夏合宿のレポート発表会。



早速、始めようとするまなつ。
……喋るか食べるかどっちかにしなさい！

しかし、顧問の桜川先生は上の空。
完全に心ここにあらずという表情です。



つまんでいた卵焼きを取り落とし、さらにはそれに気付かず、空気を食べるといったことまで。
これはもう、いよいよもってヤバいやつでは……。

様子のおかしさからいろいろ察したさんごが、桜川先生に声をかけます。
「先生も、授業参観に緊張してるんですか？」

そうして話していくと、どうやら先生の親が授業参観に来るという事態になっていることが発覚します。

「まさか先生の親が来るわけじゃあるまいし……来るんですか！」
「実は、父が見に来るっていってるの」
「どうしてそんなことに？」
「それが、今年の夏休みに実家に帰ったとき……」



「そういえば……今度、あおぞら市に行くんだ。そのときに、咲の学校へ行ってもいいかい？」
「えっ？ ど……どうして？ というか、なんで、あおぞら市に？」
「大事な用があってな」

そんな感じで、見に来ることになったようです。
そしてこの話、校長先生も快諾したようで、逃げ場がなくなった様子。

まあ、機会があるのなら子供の晴れ姿は見たいでしょうし、校長としても見せてあげたいでしょうし、授業参観に紛れるのはまさに千載一遇のチャンスといえます。

さて、ここで気になるのはその目的……『大事な用』。
限られた情報から、その推察を始める一行。

「その大事な用って、一体何なのかしら？」
「リンゴ畑……引退……大事な用……。お父さんは桜川先生に、リンゴ畑を継いでほしいと思っているのでは？」



それには、桜川先生にも思い当たるフシがある様子。
ただ、それなら授業参観などせず、直接伝えればいいだけですが……？

「あっ、つまり、こういうことだよ！」と、まなつが閃きます。
「『今日の授業参観、お前が真面目で立派なスーパー先生じゃなかったときは、先生を辞めて、リンゴ畑を継いでもらうぞ』」

まあ、物語としてはよくあるやつですね。
逆にいうと、ここでそれが候補として出たので、そういう話ではないと予想できてしまうわけですが。

「もし父がそういうつもりだとしても、私、先生を続けたい」と、本心を打ち明ける桜川先生。
「もちろんリンゴ畑は大切だし、いつか継ぐことになるかもしれないけど、先生になるのは、子供のころからの夢だったの」

それを聞いて、黙っていられるまなつたちではありません。
教室に戻り、クラスメイトに協力を求めます。



「最高にトロピカってる授業参観を先生のお父さんに見せたら、きっと考え直してもらえるはずだよ！」

問題は、桜川先生のドジっ子属性。
ものを落としたり用意する資料を間違えたり、いろいろな実績があるようです。

「桜川先生を、サポートしなきゃいけないわね」
「それ！」
「うん！ 私たちも桜川先生には絶対やめてほしくないもん」
「あんな面白い先生、ほかにいないもんな」
「いつも優しいし、明るいし」



「気持ちは一緒だね」
「うん！ みんなで最高の授業参観にして、トロピカろう！」
「おー！」

この人望、この一致団結よ。
桜川先生も、トロピカる部も、本当に大したものになっていますね。

そして放課後。
トロピカる部の面々が下校していると、校門のところに桜川先生が。

先生は、件のお父さん（CV＝宇垣秀成）を待っていたようです。
そして程なくして、ご当人が到着。



あおぞら市は南国なので、リンゴ農家である先生の実家とは、結構離れていそうですね。
娘の職場を見てみたいと言ったのも、気軽には訪れにくい距離という事情があったのかもしれません。

「お父さん！」
「お父さん？」
「予定より早くあおぞら市に来ることになってね、これから学校の案内をするの」

急な出来事ですが、トロピカる部も学校案内のお手伝いに名乗り出ます。

「まさか、抜き打ちで審査しに来るなんてね」
「桜川先生を、私たちでサポートするわよ！」
「うん！」

かくして、桜川先生による、父親への学校案内が始まります。



トロピカる部の部室を見せようとするも、鍵を忘れる桜川先生。
廊下で遭遇した同僚の教師に、書類のミスを指摘される桜川先生。
デスクが片づいているように見えて、引き出しに押し込んでいただけというのがバレる桜川先生。

それらを、トロピカる部がフォローしたりできなかったりして、何とか凌ぎます。

「あまり上手くいかなかったね」
「だ……大丈夫！ 本番は授業参観だよ！」
「う……うん……」

ややあって。
ついに、授業参観当日です。

これ、先生の心配をすることで、自分たちの方の緊張はかなり紛れてますよね。
これはこれで、特殊な状況がいい方向に働いたといえます。



先生のため、クラスの気合いを入れるまなつ。
さあ、授業参観の始まりです。

気合いを入れ、教室に入る桜川先生。
その雰囲気は、生徒たちをして、ひと目でいつもと違うとわかるレベル。

しかし……早速すっ転ぶ桜川先生。
考えすぎて、足下がお留守だったパターンでしょうか……。



そこで、すかさず絆創膏を差し出す女子生徒。
クラス全員で先生を支えていくフォーメーションです。

その後も、ミスしたりフォローしたりミスを重ねたり……。
みんなが頑張っていますが、全体としては、ダメな方に傾いているバランスでしょうか。

そうしていると、エルダとヌメリーが襲来。
今回のメインはエルダですが、エルダが『夏休みボケ』で調子を崩しているため、見守り役としてヌメリーがついてきています。

これはもう、授業参観との対比ですね。

さて、エルダが目をつけたのは、空き教室の黒板、チョーク、黒板消し（ラーフル）。
それらをまとめて、1体のゼッタイヤラネーダを生み出します。



至近距離での出現に、すぐに気付いたまなつ、ローラ、さんご。
授業中に抜け出す適当な理由……つまりトイレと言って、現場に向かいます。

「先生、お便所！」
「私も……」
「私もお便所！」



お便所とは露わに口には出さないのが、本当にさんご。
こういうときでも、抜かりはありません。

次の瞬間、ヤラネーダにより、教室（校舎）の人々のやる気パワーが吸い取られます。
プリキュア側も、ヤラネーダも、ベストタイミングですね。



そして、少し遅れて来たみのりん先輩やあすか先輩と合流し、変身です。
「いいとこ見せたい！ トロピカル～ジュ！プリキュア！！」

さて、今回のヤラネーダは、腕からチョークを機関銃のように連射します。
まずはいつもどおり、シールドで防ぐコーラル。

ゼッタイヤラネーダの攻撃であり、そこそこ威力も物量もありそうですが、見事に防いでみせるコーラル。
しかし、ヤラネーダは弾かれたチョークを操り、シールドを迂回してプリキュアたちに直撃させます。



その後は、回避をメインに戦闘を組み立てるプリキュア。
反撃もしますが、反撃の反撃として、サマーが巨大な2つの黒板消しに挟まれ、真っ白になってしまいます。

しかし、それで攻略の糸口を見出すパパイア。
2人1組で黒板消しを持って走り、チョークを弾き、黒板に書かれていたヤラネーダの顔を消してしまいます。



そうしてできた隙に『マーメイドアクアポット』を使い、やる気パワーを回収するラメール。
そのまま、『プリキュア・オーシャンバブルシャワー』でフィニッシュです。

かくしてヤラネーダは浄化され、やる気パワーも持ち主に戻りました。
エルダも、ヌメリーに励まされながら撤収です。

そして夕方。
授業参観も無事に（？）終わった別れ際、お父さんに話を切り出す桜川先生。



「お父さん、私、今日は全然いいところを見せられなかったけど、でも、先生を辞めたくないの」

しかし、桜川先生の決意に対し、お父さんは要領を得ない様子。
「何の話だい？」

「お父さん、私がちゃんと先生をしてるか、見に来たんじゃないの？」
「そうだよ。大事な用のついでにな」

その、『大事な用』とは？
突如仲間が現れ「アリスちゃーん！」のコールが！



「恥ずかしくて言えなかったんだけど、実はあおぞら市で、応援しているアイドルのライブがあるんだ」

衝撃の事実！
結構年配っぽいユニットですが、アイドルの推し事だったようです。

「アイドル……じゃあ、リンゴ畑は？」
「リンゴ畑？ あぁ、それなら、このアイドル仲間が手伝ってくれてるから、心配ないよ」

何もかんもが一気に解決した！
とりあえず、桜川先生が先生を続けることに関しては、何の障害もなさそうです。

胸をなで下ろす桜川先生。
お父さんはそんな娘に一歩近寄ると、頭をなでます。



「咲は……いい先生になったね」
「えっ？ でも、私、ドジばかりで……」

「咲は頑張り屋さんだからね。空回ることもあるが、父さんはそれでいいと思う」
「みんな咲を支えてくれてた。それは、咲とみんなの間に、信頼があるからだよ」

そのあたりが今回の授業参観の肝ですが、それが完全に伝わっているあたり、さすがは父親。
クラスが一丸となって先生を助けようという機運が起きたのは、本当に桜川先生の人間性のなせる業です。

ひとつ乗り越え、やる気がみなぎる桜川先生。
「よーし！ クラスの担任として、それからトロピカる部の顧問として、もっともーっと頑張るからね。みんなでトロピカっちゃおう！」

もともとトロピカる素養は十二分にあった桜川先生ですが、もう完全にトロピカる先生ですね。