『マジック基本セット2010/Magic 2010 Core Set(M10)』での大改訂から早4年、来たるべき今年7月19日に発売予定の『マジック基本セット2014/Magic Core Set 2014(M14)』でも、ルールに大きな変化が訪れるようです。
ソースはこちら(日本語訳はこちら)。
まず1つめは、『レジェンド・ルール』。
「レジェンド・ルール」と呼ばれる、ルールの項目番号で言うと704.5kに変更が加えられます。現在のルールでは、複数の同名の伝説のパーマネントが戦場にある場合、状況起因処理でそれら全てがオーナーの墓地に置かれます。新ルールでは、単一のプレイヤーがコントロールする複数の同名の伝説のパーマネントが戦場にある場合、状況起因処理として、そのプレイヤーはその中から1体を選び、それ以外をオーナーの墓地に置くのです。
既に一度変更されている『レジェンド・ルール』ですが、今回再び変更が加えられました。 新ルールでは、1人のプレイヤーがコントロールできるのは1つまでという形になったようですね。
相手と自分がそれぞれ同名の伝説のパーマネントをコントロールできるようになったので、《クローン/Clone(M13)》を除去的に使うことができなくなります。
単一のプレイヤーに焦点を当てた場合、1人につき同名の伝説のパーマネントは1つまでしかコントロールできないのは今まで通りですが、2つめが戦場に出たときの挙動が大きく異なります。 新ルールではどちらか1つが戦場に残り、コントローラーは残す方を選ぶことができるため、はり替えたりすることが可能になります。
ここへ来てのこのルール変更は、次のセットに伝説のパーマネントがたくさん収録されるということを示唆しているのかもしれませんね。
続いては、『プレインズウォーカーの同一性ルール』。
「プレインズウォーカーの同一性ルール」は「レジェンド・ルール」とほとんど同じ変更を受けました。ルールの項目番号で言うと704.5jは、単一のプレイヤーが同じプレインズウォーカー・タイプを共有する複数のプレインズウォーカーをコントロールしている場合に、状況起因処理として、そのプレイヤーは1体を選んでそれ以外をオーナーの墓地に置く、となります。
プレインズウォーカーについても、『レジェンド・ルール』と同様の変更を受けるようです。 これによって、《精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptor(WWK)》を除去するために《ジェイス・ベレレン/Jace Beleren(M11)》を投入するということはなくなりますね。
以上のレジェンド・ルールとプレインズウォーカーのルールについての変更に関して、個人的には、《クローン/Clone(M13)》などのコピーに関する挙動としては、フレーバー的にもマッチしていてとてもいい変更だと思います。 一方で、それ以外……唱えたり墓地から戻したりという状況では、やはり現在のルールの方がフレーバー的にあっていると思います。 その2つを両立するのは、不可能ではないと思いますがルール・テキストが面倒なことになるので、今回の改訂にこぎ着けたのでしょうね。
続いては、『構築イベントのサイドボード』。
これまでは、メインデッキは60枚以上で、サイドボードは15枚、あるいは使わないことを示して0枚でした。新ルールでは、メインデッキはやはり60枚以上ですが、サイドボードは15枚までとなります。さらに、カードの入れ替えは同数でなくてもよくなります。第2ゲーム、第3ゲーム(以降のゲーム)においては、メインデッキが60枚以上あってサイドボードが15枚以下であれば問題ありません。
構築に不可欠な、サイドボードに関するルール。 サイドボードは15枚以下なら何枚でもよくなり、入れ替えも、最終的にサイドボードが15枚以下になればどのように組み替えてもよくなります。
前者については、これまでたまに見かけた、「サイドに入れるものがないので《平地/Plains(M13)》を」ということがなくなるわけですね。 まあ、大抵の場合サイドボードは枠が足りなくなるものですが……。
後者が大きな変化で、IN/OUTが不均等でもよくなるようです。 サイドインのみ、あるいはサイドアウトのみというのはこれまでなかったことですので、それがどう作用するのか非常に見ものです。
続いては、『「破壊されない」から「破壊不能」に(キーワード化)』。
「マジック2014」から、「破壊不能」というキーワードになりました。
「破壊されない/be indestructible」がキーワード能力となり、「破壊不能/Indestructible」になります。 これにより、破壊されない特性は能力となり、能力を失う系の効果によって失ったりするようになるようです。
ルール704.4aであんなに得意げに「It's just something that's true about a permanent.」と記述していたのはいったい何だったのか。
最後に、『追加の土地のプレイ』。
「マジック2014」では、「土地プレイの数」に注目した土地のプレイのシステムを導入します。何であれ土地をプレイしたい場合、既にそのターンの土地プレイを使い切っていた場合には、その土地をプレイすることはできません。通常、自分の各ターンに1回の土地プレイを持っています。呪文や能力によってこの数が増えることがあります。パーマネントによって追加の土地をプレイできることはありますが、そのパーマネントが戦場を離れたら、その追加の土地プレイは失われます。
追加の土地のプレイに関するルール。 これまではどの能力でプレイするかを見ていたのに対し、これからは数のみに注目するようです。
土地のプレイがスタックに乗らないことを考えると、どうしてこの変更がもっと早くに行われていなかったのかが不思議に思えるほどの変更点ですね。 僕自身MTGやって長いですが、これまでただの1度も、土地のプレイがどの能力によるものなのかを宣言していたプレイヤーはいなかったような気がします。 まあ、僕も《踏査/Exploration(USG)》使いとしてルールは知っていたものの、そこまで明確にやっていたかといわれると……。
以上が変更点です。 特に最初の2つのインパクトが大きく、話題になっているようですね。
このルール施行は7月13日。 どうなるのか、楽しみですね。 
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